こんばんは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
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私、カスタマーサポートの仕事をしています。
パソコンの操作のご案内をしてるんですけど、人ってどうして考えることをやめるのでしょうか?
画面の操作の通りに進めばいいだけなのに、私からの指示をずっと待っている。
OKのボタンを押せばいいだけなのに「この次どうすればいいのか?」と聞いてくる。
なんでなんでしょうか?
それに、たまに私がパソコンの画面に表記している言葉を間違えると「そんなことは書いていない」と突っぱねてくるんです。
嫌がらせなんでしょうか?
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この記事でわかること
・人が「考えること」をやめて指示待ちになってしまう心理的なメカニズム
・「そんなことは書いていない」と言い切ってしまう人の心理的な背景
・どちらも「嫌がらせ」ではなく、無意識の防衛反応であるということ
なぜ人は「考えること」をやめてしまうのか
これは「学習性無力感」と呼ばれる心理状態が関係している場合が多いのです。
学習性無力感とは、過去に「自分で考えて行動したら失敗した」「自己判断で進めたら怒られた」という経験を重ねることで、「どうせ自分で判断しても意味がない」という思考パターンが根づいてしまう状態のことを指します。
電話口でパソコンの操作案内を受けている状況というのは、相手にとって「普段使い慣れていない画面」「失敗したら面倒なことになるかもしれない」という緊張を伴う場面なのです。
そのため、本来であれば自分で判断できる「OKを押すだけ」という簡単な操作でさえ、「間違えたら取り返しがつかないかもしれない」という不安が先に立ってしまい、思考よりも先に「確認する」という行動を選んでしまうのです。
これは怠けているのではなく、「失敗への恐れ」が「考える力」を一時的に上回ってしまっている状態だと捉えると、理解がしやすくなるかと思います。
責任を手放したいという無意識の働き
もうひとつの要因として、「責任の所在を自分から切り離したい」という心理も働いています。
「次はどうすればいいですか?」と逐一確認することは、「言われた通りにやっただけ」という立場を自分の中に作る行為でもあるのです。
万が一うまくいかなかったとしても、「指示通りにしたのに」という心の逃げ道を、無意識のうちに確保しているのですよね。
「そんなことは書いていない」と言い切ってしまう心理
こちらは「確証バイアス」と「自己防衛」という、2つの心理的な働きが重なって起きている現象です。
確証バイアスとは、人が物事を見るときに、自分が「こうだろう」と思い込んでいる内容に合う情報だけを拾い上げ、それに合わない情報を無意識のうちに見落としてしまう心理的な傾向のことです。
電話でパソコンの案内を受けている方は、画面を見ながらも「次はこう進むはずだ」という自分なりの予測を立てながら操作をしています。
その予測と実際の表記が少しでもズレると、人は「自分の予測が間違っていた」と考えるよりも先に、「相手の案内が間違っている」と考えるほうを選びやすいのです。
これは、自分の認識の誤りを認めることが、無意識のうちに心理的な負担として感じられるためなのです。
「間違いを認める」ことへの抵抗感
さらに、電話越しのやり取りという状況も影響しています。
相手の表情が見えない中でのコミュニケーションでは、「自分が見落としたのかもしれない」という可能性よりも、「相手の説明がおかしい」という解釈のほうが、心理的に受け入れやすいのです。
これは、人間が持つ自己防衛の仕組みのひとつであり、嫌がらせをしようとしているわけではない状態なのです。
ただ、どんなに嫌がらせをしようという悪意が無かったとしても、ご相談者さんとしてはキツいですよね。。。
自分自身の思考パターンを知ることの大切さ
ここまで見てきたように、「指示待ちになる人」も「言い切ってしまう人」も、実は共通して「失敗したくない」「自分を守りたい」という、ごく自然な心の働きから来ているのです。
そしてこれは、お客様だけでなく、私たち自身の対人関係の中にも、同じようなパターンが隠れていることが少なくありません。
まとめ
「考えることをやめてしまう人」も、「そんなことは書いていないと言い切る人」も、それぞれに心理的な理由があり、決して困らせようとしているわけではありません。
相手の言動の裏にある心理のメカニズムを知っておくだけで、決して気持ちの良いものではありませんが、同じ場面に出会ったときの受け止め方が、ずいぶんと軽くなると思います。
また何か思う事があればご相談くださいね!