こんばんは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
先日、フィッシング詐欺と警察官なりすまし詐欺について記事を書きました。
この2本を書いたことをきっかけに調べていたところ、最も知っておいてほしい詐欺の手口に出会いました。それが「二次被害詐欺」です。
一度詐欺に遭った人を、もう一度狙う詐欺です。
この記事でわかること
- 二次被害詐欺とは何か、どのような手口で行われるのか
- なぜ詐欺被害者が、さらに詐欺に遭いやすいのか・・・その心理的なメカニズム
- 「カモリスト」という概念と、一度被害に遭った後に気をつけるべきこと
- 見破るための具体的なポイント
二次被害詐欺とは何か
二次被害詐欺とは、詐欺の被害者に対して「被害を取り戻せる」「解決できる」と近づき、さらにお金を騙し取る詐欺です。
典型的な流れはこのようになっています。
まず、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の被害に遭った人が、SNSやネット掲示板で「被害に遭った」「取り戻せないか」という書き込みをします。
すると、「詐欺被害を専門に解決する弁護士」「被害額を取り戻せる業者」を名乗るアカウントからDMが届くのです。
「着手金だけで返金させます」
「手数料だけで全額回収できます」
こうした言葉でお金を要求し、振り込ませたあとに連絡が取れなくなります。
「カモリスト」という存在
詐欺グループは、被害者の情報を「カモリスト」として蓄積しています。
一度詐欺に引っかかったという事実は、「この人は騙せる可能性が高い」という情報として、詐欺グループ内で売買されることがあります。
そのため、一度被害に遭った人は、複数の詐欺グループから繰り返しターゲットにされるリスクが高まるのです。
「お金を取り戻したい」という切実な気持ちにつけ込む二次被害詐欺は、一次被害よりもさらに悪質だとも言えます。
なぜ詐欺被害者がさらに狙われやすいのか
①「取り戻したい」という感情が判断力を曇らせる
詐欺で失ったお金を取り戻せるかもしれないという希望は、非常に強い感情的な動機になります。
通常であれば冷静に判断できることも、「もしかしたら本当に取り戻せるかもしれない」という期待が、批判的な思考を弱めてしまうのです。
②「サンクコスト効果」がさらに深みにはまらせる
すでに失ったお金が大きいほど、「ここで諦めたらすべてが無駄になる」という心理が働きます。
これが「サンクコスト効果」です。
取り戻すためならもう少し払っても、という気持ちが、さらなる被害につながってしまいます。
③孤立していることが多い
詐欺被害者の多くは、「恥ずかしい」「家族に心配をかけたくない」という気持ちから、被害を誰にも打ち明けられずにいます。
相談できる人がいない孤立した状態では、詐欺師の言葉を客観的に判断できる人もいないのです。
④「この人は違う」という希望にすがる
一度騙されたからこそ、「今度こそ本当に助けてくれる人だ」という希望を持ちやすくなります。
詐欺師はこの心理を利用し、「私は正式な法律事務所の者です」「実績を見せます」といった、もっともらしい証拠を用意して近づいてきます。
複合化する詐欺の構造・・・一度リストに乗ると波状攻撃が来る
現在の詐欺グループは、AIによって自動化された波状攻撃を展開しています。
投資詐欺の被害→ネットで被害を嘆く→「弁護士」を名乗る二次被害詐欺→さらに警察なりすましで「口座調査が必要」と三次被害
このように、一度「騙せた人」として認識されると、複数の詐欺グループから立て続けに攻撃を受けることがあるのです。
見破るための具体的なポイント
- 詐欺被害の相談は、必ず警察・弁護士会・消費生活センター(188)など公式機関に行う
- SNSやネットで「被害を取り戻せる」と接触してきた業者はすべて疑う
- 着手金・手数料・保証金を要求してきたら詐欺と考える
- 正規の弁護士かどうかを、弁護士会のサイトで必ず確認する
- 被害に遭ったことを、信頼できる家族や友人に話すことが最大の防衛策
被害に遭ってしまった方へ
一度詐欺に遭ったことは、あなたの恥ではありません。
高度に設計された心理的な罠に、多くの人が引っかかっています。
大切なのは、二次被害に遭わないことです。
「取り戻せるかもしれない」という言葉に飛びつく前に、必ず公式機関に相談してください。
・警察相談専用電話:#9110
・消費生活センター:188(いやや)
・法テラス:0570-078374
💞 あの人の言動を、もっと深く知りたい方へ
「恋愛カルテ」という名前ですが、対象は恋愛関係に限りません。身近な人の言動の背景を、行動分析と心理学の視点から個別に読み解くこともできます。
まとめ
- 二次被害詐欺とは、詐欺被害者に「お金を取り戻せる」と近づきさらに騙す手口
- 被害者情報は「カモリスト」として詐欺グループ内で売買され、繰り返しターゲットにされるリスクがある
- 「取り戻したい」感情・サンクコスト効果・孤立状態が、さらに騙されやすくする
- AIによって自動化された波状攻撃により、一度被害に遭うと複数の詐欺グループに狙われる
- 被害相談は必ず警察・消費生活センター(188)・法テラスなど公式機関へ
詐欺師は、人が最も傷ついている瞬間を狙います。その手口を知っておくことが、自分と大切な人を守る力になるのです。
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