こんばんは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
※この記事はアメブロ
【人間関係の心理】男性の前で豹変する女友達。裏表のある彼女の「本当の顔」とは?
の後編になります。
■ 導入(エピソード)
「女友達が、男性と話すときと女性と話すときで態度が全然違うんです」
先日、30代前半の女性からいただいたご相談です。
同性同士でいるときは、低い声のトーンでとげとげしく誰かの悪口を言うのに、男性の前では猫なで声であざとい話し方に豹変するとのこと。
「彼女のことは嫌いではないけれど、こんなに裏表があると信用していいのか心配になる。
彼女の本音は、女性と話しているときなのか、男性と話しているときなのか、どちらなのでしょうか?」
目の前でコロコロと態度を変えられると、
「私に見せているこの顔も、もしかして演技なのでは?」
と不信感を抱いてしまうのは当然のことです。
本記事では、相手によって態度を極端に変える人の心理的メカニズムと、人間関係であなたがすり減らないための具体的な対処法を解説してみたいと思います。
■ 観察のポイント
現在の彼女のコミュニケーションにおいて、どのような事実があるのかを客観的に整理してみましょう。
- 女性に対する行動: 声のトーンを下げ、悪口やとげとげしい話題を出している。
- 男性に対する行動: 声のトーンを上げ、あざとく(相手に好まれるように)振る舞っている。
ここで着目すべき事実は、彼女は
「ご相談者様を騙そうとしているわけではなく、目の前の環境(相手)に合わせて自分を最適化させている」
ということです。
彼女の中では、どちらの行動もその場を生き抜くための手段として機能しています。
■ 心理学的考察(解体新書)
では、なぜ彼女はこれほど極端に態度を変え、どちらが本音なのでしょうか。
心理学的な視点から、以下のメカニズムが推測されます。
- 「本音」はどちらでもない(ペルソナ)
結論から言うと、「どちらが本当の彼女か」という問いへの答えは「どちらも彼女の一面(仮面=ペルソナ)であり、唯一の『本心』というものは存在しない」と考えられます。
ユング心理学では、人は誰しも場面や相手に応じて異なるペルソナ(社会的な仮面)を使い分けると捉えます。
彼女の場合、男性から「可愛い」と承認されたい自分と、女性同士で「毒を吐いて発散したい」自分のギャップが極端に大きい状態と推測されます。 - 場面ごとの自己呈示の使い分け(高セルフ・モニタリング)
社会心理学者スナイダーが提唱したセルフ・モニタリングの概念では、社会的状況に合わせて自分の言動を意識的に使い分ける傾向が強い人を「高セルフ・モニタリング型」と呼びます。
彼女はその傾向が特に強く表れており、男性の前では「庇護欲をそそる女性」として振る舞うことが自分にとって最もメリットが高いと判断し、場面ごとに異なる自分を使い分けていると考えられます。 - 同性への悪口は「ストレス発散」と「歪んだ連帯感」
男性の前で「あざとい良い子」を演じ続けることは、心理的なエネルギーを消費します。
女性同士のときに見せるとげとげしさや悪口は、そのストレスの反動として表れている可能性があります。
また、悪口を共有することで「私たちは味方同士だよね」という同盟関係を確認しようとする、不器用な防衛反応でもあると推測されます。
■ 私たちへの応用
彼女の行動が「環境への過剰な適応」と「ストレスの反動」である可能性を踏まえると、「本当の彼女はどれか」と詮索し続けることは、ご自身のエネルギーを消耗するだけになってしまいます。
以下の具体的な選択肢を取り入れてみてください。
- 「本心探し」の謎解きから降りる
「どちらが嘘か・本当か」という二元論で相手をジャッジするのをやめましょう。
「男性の前ではああやって自分を守り、私の前では毒を吐いてバランスをとっているんだな」と、事実をただの『現象』として俯瞰して眺めることで、モヤモヤする感情から距離を置くことができます。 - 悪口には同調せず「境界線(バウンダリー)」を引く
彼女が女性同士のノリとして悪口を言い始めたら、「そうなんだね」「私はよく分からないな」とフラットに返し、決して同調(共犯関係)しないでください。
悪口に巻き込まれない明確な境界線を引くことで、あなたの誠実さを守ることができます。 - 「自分に対して誠実か」だけで信用を測る(課題の分離)
「男性の前であざとい彼女」と、「友人としての彼女が信用できるか」は全く別の問題(課題の分離)です。
彼女があなたの秘密を守ってくれるか、あなたが困っている時に助けてくれるか。
その「あなたに対する事実」だけを基準にして、友人として付き合い続けるかを判断してみてください。
■ メンターの視点
「こんなに裏表のある人を信用していいのだろうか」
ご相談者様がそう悩まれるのは、ご自身が人に対して裏表なく、常に誠実に向き合おうとされている優しい方だからこそだと思います。
ご友人は、男性から愛されるための鎧と、女性社会で生き抜くための鎧、その二つの重たい仮面を無意識に付け替えることでしか、自分の心を守れない不器用さを持っているのかもしれません。
しかし、あなたが彼女の生き辛さや裏表にまで責任を持つ必要はありません。
もし、彼女の悪口を聞かされることや、態度の急変に付き合うことで「自分が疲れてしまう」と感じたなら、少しだけ心の距離を取ってもいいんです。
「彼女自身は嫌いではない」
というあなたの温かい気持ちを大切にしながら、ご自身が心地よくいられる友人関係の距離感を見つけていってくださいね。
人間関係の境界線の引き方に迷われた際は、いつでもReCocoroのメソッドを頼りにしてください。
心から応援しております。
心理カウンセラー
伊藤 憲治