こんばんは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
今日は、「質問しているのに、なぜか変な返事が返ってくる」という、ある上司の言葉づかいについて書いてみました。
30代男性からのご相談です。
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「会社の上司に
『これって間違っていますか?』ってチェックをお願いしたんです。そしたら
『いいえ、あなたは間違っています』と質問に対しては一応答えてくれてるんですけど、
でも答え方が変というか、最初から『いいえ』って言葉が決まっているような返事をするんです。
これってどういう心理なのでしょうか?」
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「これって間違っていますか?」
と聞かれたら、本来であれば
「はい、間違っています」
「いいえ、間違っていません」
というように、「はい・いいえ」と内容が一致した返事が返ってくるはずですよね。
でも、このケースでは「いいえ、あなたは間違っています」という、はい・いいえと内容がねじれた返事になっています。
さらに「あなたは」という主語も、わざわざ強調されています。
この記事では、この少し不思議な言葉づかいの背景にある心理を整理してみました。
この記事でわかること
- 「はい・いいえ」が内容とねじれてしまう、その心理的な背景
- 「あなたは」と主語を強調する言葉づかいに込められた意味
- このような上司と関わるときの、現実的な対処のヒント
「いいえ、あなたは間違っています」という言葉のねじれ
結論からお伝えします
このような返事のねじれは、言葉の使い方を間違えているのではなく、答えること自体への心理的な抵抗が、言葉に現れている可能性が高いのです。
普通に「はい、間違っています」と答えれば済むところを、わざわざ「いいえ」という否定の言葉から入ることで、無意識のうちに、相手の指摘や確認そのものに対する抵抗感を示しているのかもしれません。
質問されることへの防衛的な反応
質問を受けるという行為は、人によっては「試されている」「評価されている」という感覚を伴うことがあります。
特に、自分の評価や立場を強く意識している人にとっては、部下からの「これで合っていますか」という確認自体が、無意識のうちに緊張や警戒を生むことがあります。
質問に対して身構えるあまり、答えの内容よりも「まず否定から入る」という反応が、先に出てしまうことがあるのです。
「あなたは」という主語を、わざわざ入れる心理
本来、「間違っています」とだけ言えば、意味は十分に伝わります。
それでも「あなたは間違っています」と、あえて主語を入れているのには、心理的な理由が考えられます。
①相手と自分を、明確に切り分けたい心理
「あなたは」と主語を強調することで、「間違っているのは、あなた(相手)であって、私ではない」という線引きを、言葉の上で明確にしようとしている可能性があります。
これは、責任の所在をはっきりさせたい、あるいは自分が指摘する側の立場であることを、無意識に確認しようとする心理だと考えられます。
②客観的な指摘であるように見せたい心理
「間違っています」よりも「あなたは間違っています」のほうが、淡々とした、事実確認のような響きを持ちます。
これは、感情的な指摘ではなく、客観的な事実を述べているのだという体裁を、言葉づかいによって作ろうとしている可能性があります。
指摘することへの後ろめたさや緊張を、こうした言い回しで和らげようとしているのかもしれません。
「いいえ」が、環境の中で固定化された反応になっている可能性
もうひとつ、考えられる視点があります。
「これって間違っていますか?」という質問には、多くの場合「合っていますよね」という、質問者側の無意識の期待が含まれていることがあります。
上司は、その期待を無意識のうちに感じ取っているのかもしれません。
その場合は、この期待に対して、あえて「いいえ」から答えるという反応が、一度や二度ではなく、職場という環境の中で、繰り返し使われてきたのかもしれません。
こうした反応は、最初は意識的な選択だったとしても、同じような場面で何度も繰り返されるうちに、考えるよりも先に口から出る、反射的なパターンとして固定化していくことがあります。
決まった言葉づかいを繰り返すこと自体が、本人にとって心理的な安心感を得る手段になっている場合もあり、それがさらに、その言い方を手放しにくくしている可能性もあります。
本人にとっても、それが「いつものやり方」になってしまい、自分でも意識しないまま、同じ言葉づかいを使い続けている可能性があります。
もしそうだとすれば、この上司自身も、その反応パターンから自由になれずにいる、という見方もできるのかもしれません。
最初から「否定」を決めていたわけではないかもしれません
ご相談者さんは「最初から『いいえ』という言葉が決まっているような返事」と感じていらっしゃいましたが、これは必ずしも、最初から否定するつもりだった、という意味ではないと考えられます。
むしろ、質問を受けたときに生じる緊張や身構えが、とっさの言葉のパターンとして「否定から入る」という形に表れている、という可能性のほうが高いのです。
つまり、これは意図的な意地悪というより、その上司自身が、質問を受けることに対して、何らかの心理的な負荷を感じている結果として起きていることなのかもしれません。
このような上司と関わるときの、現実的な対処のヒント
①「はい・いいえ」ではなく、具体的に確認する
「間違っていますか?」というイエス・ノー形式の質問は、相手に「評価する側」としての緊張を生みやすい聞き方です。
「ここの部分、どう直したらいいですか?」というように、具体的な行動を尋ねる質問に変えることで、相手が身構えずに答えやすくなることがあります。
②言葉の細部より、内容を確認する
「いいえ、あなたは間違っています」という言葉づかいに気を取られすぎず、「結局、どこをどう直せばいいのか」という内容に焦点を当てて確認することで、不要なモヤモヤを減らすことができます。
③その言葉づかいを、個人的な攻撃と捉えすぎない
「あなたは」という強調が、必ずしも強い悪意から来ているとは限りません。
相手なりの緊張や防衛のパターンである可能性を知っておくことで、受け取り方が少し軽くなることがあります。
ひとりで抱え込まなくていい
職場で職場でのちょっとした言葉づかいに、もやもやした気持ちを抱え続けるのは、思っている以上にストレスになるものです。
相手の心理的な背景を知ることは、相手を許すためではなく、自分自身が必要以上に傷つかずに済むための、ひとつの手段でもあります。
💞 あの人の言動を、もっと深く知りたい方へ
「恋愛カルテ」という名前ですが、対象は恋愛関係に限りません。
上司や同僚、家族など、身近な人の言動の背景を、行動分析と心理学の視点から個別に読み解くこともできます。「なぜあの人はこういう言い方をするんだろう」
というモヤモヤを、一般論ではなく、あなたの状況に沿って整理してみませんか。
まとめ
- 「いいえ、あなたは間違っています」という、はい・いいえがねじれた返事は、答えることへの心理的な抵抗が言葉に表れている可能性がある
- 「あなたは」という主語の強調には、相手と自分を切り分けたい心理、客観的な指摘に見せたい心理が考えられる
- これは意図的な意地悪というより、質問を受けることへの緊張や防衛が、言葉のパターンとして表れているケースが多い
- こうした反応は、職場という環境の中で繰り返されるうちに、本人も意識しないまま固定化していった可能性もある
- 「はい・いいえ」形式ではなく具体的に確認する、言葉の細部より内容に焦点を当てるという対処が有効
不思議に感じる言葉づかいにも、その人なりの心理的な背景があります。
相手の言葉のパターンを知ることが、不要なモヤモヤを減らす助けになれば幸いです。
なにか思う事や考える事があればいつでもご相談くださいね!
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