【ADHDの3タイプ】「自分は多動じゃない」と思っていた私が、主治医の言葉で救われた理由

「自分は幼い頃、落ち着きなく動き回るタイプではなかった。だからADHDの『多動』には当てはまらないはず……」

長年、そう感じていらっしゃった方は少なくないのではないでしょうか。

実は私もその一人でした。
多少その傾向がある行動はあったのですが、決していつも。。。というわけではありませんでした。

しかし私は以前、主治医との会話の中で、長年の疑問が一気に氷解する出来事がありました。

主治医から投げかけられたのは、「伊藤さんの場合は『女性型(不注意優勢型)』のADHDかもしれませんね」という言葉でした。

これまでどの医師からも言われたことがなかった、具体的になぞられる症状の数々に、思わず「それです!まさにそれなんです!」と心が震えました。

自分の症状を正確に伝える事ってすごく難しい事ですよね。
どんなところが人と違うのか、そしてどんなところが自分を苦しめているのか?

今回は、医学的な正しさを踏まえながら、ADHDの3つのタイプと、なぜ「目立たない生きづらさ」が存在するのかについて深く紐解いていきます。

1. ADHDの医学的な3つのタイプとは?

まず前提として、医学的な診断基準(DSM-5など)において、ADHDは性別で分けられているわけではありません。

症状の現れ方によって、大きく3つのタイプに分類されます。

① 不注意優勢型(ふちゅういゆうせいがた)

  • 忘れ物や失くし物が多い
  • ぼーっと空想にふけりやすい
  • 片付けや整理整頓が苦手
  • 外部からは静かに見えても、頭の中が常にフル回転している

② 多動・衝動性優勢型(たどう・しょうどうせいゆうせいがた)

  • じっと座っていることが難しい
  • 体を動かさずにはいられない
  • 相手の会話を遮って話してしまう
  • 思い立ったら結果を考えずにすぐ行動してしまう

③ 混合型(こんごうがた)

  • 「不注意」と「多動・衝動性」の両方の特徴を併せ持っているタイプ

2. なぜ「男性型」「女性型」と呼ばれることがあるのか?

医学的には上記のように「症状のタイプ」で分けますが、臨床の現場では分かりやすいたとえとして「男性型」「女性型」という表現が使われることがあります。これには明確な理由があります。

■ 「男性型」とされる背景(多動・衝動性優勢)

男児の幼少期には、授業中に立ち上がってしまう、暴れてしまうといった「外に現れる多動」が目立ちやすい傾向があります。そのため、学校や家庭で周囲が異変に気づきやすく、早い段階で発見・診断につながることが多いのです。

■ 「女性型」とされる背景(不注意優勢)

一方、女児や大人になってから気づくタイプに多いのが「不注意優勢型」です。
周囲に迷惑をかけるような行動をとらないため、子供の頃は「おとなしい子」「少し天然な性格」「考えごとが多い子」として見過ごされてしまいます。

しかし、外見上は静かに座っていても、「頭の中(脳内)で強烈な多動が起きている」のです。

3. 「それそれ!」と思えた、頭の中の多動

私が主治医から「女性型(不注意優勢型)」という見立てを聞いたとき、何より救われたのは、これまで言葉にできなかった感覚を言語化してもらえたことでした。

体が動き回るわけではありません。
しかし、私の頭の中では、常にいくつもの思考や過去の記憶、次に行うべきタスクが高速で駆け巡り、フル回転し続けていました。

周りから見れば「ぼーっと静かに座っている」ように見えても、内側では膨大な脳内エネルギーを消費していたのです。

だからこそ、過剰に疲れやすく、頭の中がオーバーヒートしてしまう。

「自分が甘えているわけでも、努力が足りないわけでもなかったんだ」
「この脳内の忙しさこそが、私の特性だったんだ」

そう正しく理解できた瞬間、長年抱えていた漠然とした生きづらさが、すーっと晴れていくのを感じました。

4. 自分自身の「型」を知ることで、セルフケアが変わる

自分自身の特性の「型」を正しく把握することは、自分を責めるのをやめ、効果的なセルフケアを組み立てるための第一歩になります。

「不注意優勢型(脳内多動)」の傾向がある場合、外から見えない分だけ「脳を意図的に休ませる工夫」が不可欠になります。

  • 思考を紙に書き出して「脳の外」に出す
  • 服薬や生活ルーティンを固定し、判断のエネルギーを減らす
  • 「静かに過ごしていても脳は疲れている」ことを自覚し、しっかり休養を取る

このように、自分の取り扱い説明書(取扱説明書)を書き換えていくことができるのです。

おわりに

もしあなたも、
「自分は多動じゃないけれど、なぜか毎日が酷く疲れる」
「頭の中がいつも忙しくて生きづらい」
と感じているなら、それは不注意優勢の特性かもしれません。

自分の状態を正しく表す「言葉」に出会うことは、自分自身を許し、受け入れるための温かい鍵となります。

焦らず、ご自身の特性と優しく向き合いながら、自分に合った整え方を見つけていきましょうね!