こんばんは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
今日は、「行間が読めない」「相手の言葉を違う意味に受け取ってしまう」というテーマについて書いてみたいと思います。。
今回は私自身の経験からお話ししますね。
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得意なことや興味のあること、そして波長の合う相手との会話であれば、1を言われても10を理解することができました。
でも、苦手なことや興味のないこと、得意ではない領域だったり、相手との共通の文脈が少なかったり、行間があると理解が難しくなる、という経験を重ねてきました。
これが原因で仕事で大きな失敗をしたり、良好な人間関係を築けない事がありました。
これが自分の特性のひとつだと気づき、対処法を確立していくまでに、長い時間がかかりました。
だからこそ、同じ悩みを抱える方の気持ちが、よくわかります。
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「なぜ自分だけ、伝わらないのだろう。。。」
「なんで会話がかみ合わないのだろう。。。」
そう感じてきた方、いらっしゃるのではないでしょうか。。。
相手の言葉の意図を読み違えて、関係がぎこちなくなってしまった。
説明してもらっても、ズレた返答をしてしまう。
でも、得意なことや好きな話題になると、驚くほど鋭く理解できる。
実はこの「凸凹」に、ADHDの特性が深く関係しています。
この記事でわかること
- ADHDが「行間を読めない」理由と、そのメカニズム
- 「得意分野なら理解できる」という凸凹が生まれる背景
- ADHDとASDの「行間が読めない」の、大切な違い
- 日常でできる、現実的な対処のヒント
ADHDが「行間を読めない」のはなぜか
結論からお伝えします
ADHDの「行間が読めない」は、意識や努力の問題ではなく、脳の情報処理の特性によるものです。主に2つのメカニズムが関係しています。
①ワーキングメモリの弱さ
ワーキングメモリとは、会話や文章を読みながら、直前の情報を頭の中に一時的に保持しておく力のことです。
ADHDの方は、このワーキングメモリが弱い傾向があります。
相手の話を聞きながら「さっき言っていたこと」を保持しておくことが難しく、文脈のつながりが途切れてしまいやすいのです。
「3つお願いしたいことがあって……」と言われた途端、3つ目を聞いた頃には1つ目が抜け落ちている。
そんな経験に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
行間を読むためには、前後の文脈を頭の中でつなぎ合わせる必要があります。
でも、その「つなぎ合わせる」ための情報が、途中で抜けてしまうのです。
②「字義通り」に受け取りやすい特性
ADHDの方の中には、言葉を字義通りに受け取りやすい傾向を持つ方がいます。
「適当にやっておいて」
「いい感じにまとめて」
のような曖昧な表現は、どう解釈すればいいかがわからず混乱します。
また、
「さっきの件」
「例のアレ」
といった指示語も、何を指しているのかが瞬時につかめないことがあります。
これは相手の言葉の「文字通りの意味」は理解できても、その背後にある意図や感情、文脈を同時に処理することが、脳の負荷として大きすぎる状態なのです。
「得意分野なら理解できる」という凸凹の正体
ここで、わたし自身の経験に戻ります。
得意分野や波長の合う相手との会話では、1を言われて10を理解できる。
でも、そうでない場合は行間がつかめない。
この「凸凹」は、ADHDの特性としてとても自然な現象なのです。
得意分野の話題では、脳の中にすでに豊富な「文脈のストック」があります。
相手の言葉が断片的であっても、そのストックと照合することで、瞬時に補完できるのです。
一方、馴染みのない話題や、共有する文脈が少ない相手との会話では、そのストックが少なくなります。
ワーキングメモリへの負荷も高くなり、結果として「理解しにくい」「不思議な解釈をしてしまう」という状態になりやすいのです。
これは理解力の差ではなく、「文脈のストックの有無」と「ワーキングメモリへの負荷」が組み合わさって起きていることなのです。
特性として根っこにあるしくみを知り、対処法を身につけていくことで、この凸凹とうまく付き合えるようになっていきます。
ADHDとASDの「行間が読めない」の違い
「行間が読めない」という特性は、ASDにも見られます。
ただし、そのメカニズムは異なります。
ASDの場合は、他者の視点に立つこと自体
「相手がどう感じているか」
「この場でどんな意図があるか」
を想像することそのものに、構造的な困難があります。
一方ADHDの場合は、落ち着いた状態で考えれば行間を理解することが可能なケースが多いのです。
問題は「リアルタイムの会話の中で」処理が追いつかないこと、そして得意・不得意な文脈によって、理解度に大きな差が生まれることです。
「できるときとできないときがある」という凸凹そのものが、ADHDの特性としての「行間の読みにくさ」の特徴でもあるのです。
なお、ADHDとASDは、どちらか一方だけとは限りません。
両方の特性を併せ持つケースも多くあり、現在の診断基準では、両方の特性が見られる場合は併存として診断されます。
「自分はどちらのタイプだろう」と二択で考えるよりも、自分の中にある特性のグラデーションを知っていくことが大切なのです。
日常でできる、現実的な対処のヒント
①「すぐに返答しない」習慣を作る
ADHDの衝動性から、理解しきれていないまま「わかりました」と返答してしまいやすいのです。
「少し確認させてください」
「つまり、こういうことですか?」
という言葉を意識的に使い、返答の前に自分の理解を確かめる習慣を作ることが、大きな効果をもたらします。
②「言い換え」で確認する
相手の言葉を自分なりに言い換えて、「こういう理解でよいですか?」と確認することが有効です。
これは相手にとっても、伝わり方を確認できる機会になります。
ズレがあれば、その場で修正できるのです。
③得意な文脈を「橋渡し」として使う
馴染みのない話題を理解するとき、自分の得意分野に置き換えてみることで、理解の糸口が生まれることがあります。
「これって、○○(得意な分野)で言うと、こういうことかな?」という置き換えは、ワーキングメモリへの負荷を減らし、文脈を補完する助けになります。
まとめ
- ADHDの「行間が読めない」は、ワーキングメモリの弱さと、言葉を字義通りに受け取りやすい特性が組み合わさって起きている
- 得意分野や波長の合う相手なら理解できるのは、「文脈のストック」があるから。これはADHDの凸凹として自然な現象
- ASDの「行間が読めない」とは異なり、ADHDは落ち着いた状態では理解できることが多い
- ADHDとASDは併存することも多く、「どちらか一方」ではなく自分の特性のグラデーションを知ることが大切
- 「すぐに返答しない」「言い換えで確認する」「得意な文脈を橋渡しにする」という対処が有効
「できるときとできないときがある」
その凸凹は、あなたの努力不足ではなく、脳の特性として起きていることなのです。
でも、その凸凹は原因を知る事で回避できることがたくさんあります。
ひとりで抱え込まず、なにか思う事や考える事があればいつでもご相談くださいね!
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