💡「元気だったはずの子」が動けなくなる理由

――🧠 小学校高学年〜中学生のADHDに見られる“内面化”

こんにちは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。

小学校高学年から中学生にかけては、
ADHDのお子さんにとっても、
それを見守るお母さんにとっても、
とてもデリケートな転換期です。

  • 昔は落ち着きがなかったのに、最近は元気がない
  • 注意されることは減ったけれど、笑顔も減った
  • 部屋にこもり、動けなくなっているように見える

📌 この変化は、悪化ではなく「質の変化」であることが多いのです。

ここでは、
ADHDの特性が
「目に見える困りごと」から
「目に見えない心の苦しみ」へ移っていく仕組みを、
🩺 医学
🧠 脳科学
🧩 心理学
の3つの視点から整理していきます。


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🩺【医学的視点】症状は「消えた」のではなく、内側に移る

幼少期のADHDは、

  • じっとしていられない
  • 衝動的に動く

といった外在化(目に見える行動)が中心です。

しかし、小学校高学年以降になると、
医学的には
「多動の減衰」と「内在化問題の増加」
という変化が起こります。

🔍 行動が落ち着いたように見える理由

  • 走り回る多動 → 足を揺らす、指先を動かす
  • 目立つ衝動 → 心の中で抑え込む

📌 その代わりに、

  • 強い焦燥感(常にソワソワする感じ)
  • 集中しようとするだけで感じる極度の疲労

が、内側に蓄積されていきます。

⚠️ 二次的な不調が出やすい時期

この時期は、

  • 不安症状
  • 抑うつ状態

といった、いわゆる二次障害が表に出やすくなります。
これは「心が弱いから」ではなく、
脳と環境のギャップに長く耐えてきた結果です。


🧠【脳科学的視点】ブレーキが弱いまま、アクセルだけが強くなる

思春期の脳では、
感情や衝動を抑える前頭前野(ブレーキ)と、
欲求や刺激に反応する報酬系・扁桃体(アクセル)
バランスが大きく変化します。

🧠 前頭前野の発達の遅れ

ADHDのお子さんでは、
前頭前野の成熟が
2〜3年ほどゆっくり進むことが分かっています。

⚡ 思春期特有の「刺激の嵐」

中学生になると、ホルモンの影響で
ドーパミンへの反応が敏感になります。

その結果、

  • やらなきゃいけないと分かっている
  • でもスマホやゲームがやめられない

という、脳内でのフリーズ状態が起こります。

📌 これは怠けではなく、
ブレーキが未完成のまま、アクセルだけが強く踏まれている状態です。


🧩【心理学的視点】「できない自分」と向き合わされる苦しさ

心理学的に、思春期は
「自分は何者か」を形づくる時期です。

この時期にADHDのお子さんは、
とても厳しい問いに直面しやすくなります。

📉 自己肯定感の急低下

  • 周囲は勉強や部活で成果を出し始める
  • 自分だけが「当たり前」ができない

この体験の積み重ねが、
学習性無力感(どうせやっても無駄)につながります。

外から見ると「やる気がない」ように見えても、
内側では、何度も諦めさせられてきた心が動けなくなっているのです。

🎭 マスキング(仮面)の消耗

特に、知的能力の高い子や女の子に多いのが、
周囲に合わせるために特性を隠すマスキングです。

  • 学校では頑張って普通を演じる
  • 家に帰ると動けなくなる、荒れる

これは、
🧠 脳のエネルギーを使い切っているサインです。


🌱 結び|お母さんの「見守り方」をアップデートする

この時期のお子さんに必要なのは、
行動を正すための厳しさではありません。

📌 「わざとじゃない」
「脳と心の発達段階の問題なんだ」

と理解してくれる大人の存在です。

目に見える反抗や無気力の裏側で、
子ども自身が、誰よりも自分を責めていることがあります。

お母さんが構造を理解し、
「この子は怠けているわけじゃない」
と腑に落ちたとき、
お母さん自身の苦しさも、少し緩みます。

それが結果として、
親子関係に小さな風穴を開けてくれます。


🌙 もし辛くなったり苦しくなったら。

もし、ひとりで整理するのが辛くなったり苦しくなったら、
「話す」という選択肢があることを忘れないでくださいね。


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心理カウンセラー 伊藤憲治
(私自身も読んで、子どもへの接し方や自分の特性と向き合うヒントをたくさん得られた一冊でした。)

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