何度確認しても直らない誤字脱字。ADHDの「人の3倍時間がかかる」理由を解説

こんばんは。心理カウンセラーの伊藤憲治です。

今日は、
「何度チェックしても誤字脱字が直らない」
「日付と曜日を間違えてしまう」
というテーマについて書いてみたいと思います。

今回も私の経験からお話ししますね。

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会社員をしていた時、例えば議事録の作成中。
何度チェックしても誤字脱字が出てしまいます。
日付も「6月30日(火)」と書くべきところを「6/30(月)」と書いてしまったり。
このような日付と曜日の記載間違いが、なかなか治りませんでした。
他の社員さんがかかる時間の2倍~3倍は時間を費やしていたと思います。

これが自分の特性のひとつだと気づき、対処法を確立していくまでに、本当に長い時間がかかりました。
だからこそ、同じ悩みを抱える方の気持ちが、よくわかるのです。

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「何度も確認したのに、また間違えていた」

その瞬間の落ち込みは、本当につらいものですよね。。。

「不注意」「いい加減」と言われてしまうこともあるかもしれません。
でも、これは性格の問題ではなく、ADHDの不注意特性として、脳の情報処理のしくみに根本的な原因があるのです。

この記事でわかること

  • ADHDの誤字脱字・記載ミスが「直らない」理由と、そのメカニズム
  • 日付・曜日のような「複数の情報を同時処理する」場面で、特にミスが起きやすい理由
  • 「人の3倍時間がかかる」ことの正体と、現実的な対処のヒント

誤字脱字や記載ミスが「直らない」のはなぜか

結論からお伝えします

ADHDの方の誤字脱字や記載ミスは、注意していないから起きるのではありません。
注意しようとする気持ちと、脳の処理能力との間に、構造的なズレがあることで起きているのです。

①文書作成は、実は高度な「マルチタスク」

文章を書くという作業は、
「頭の中で考えたことを言語化し、タイピングし、画面に映った文字を見ながら、また次の文言を考える」
こんな処理を、瞬時に繰り返しています。
これは立派なマルチタスクであり、脳のワーキングメモリーを常に使い続ける作業なのです。

ADHDの特性として、このマルチタスクの処理に困難を抱えやすいことが知られています。
考える・入力する・確認するという複数の処理を同時に行う負荷が高くなるほど、確認のための余力が削られていき、ミスが生じやすくなるのです。

②集中が途切れた瞬間に、確認の意識が抜け落ちる

ADHDの脳は、集中力が途切れると、目の前のことから意識が離れやすい特性があります。

「確認したつもり」でも、実際には目で文字を追っているだけで、内容が脳に正しく取り込まれていない、という状態が起きることがあります。
これは、本人の自覚としては「ちゃんと見直した」という感覚があるため、ミスに気づきにくいという厄介さもあるのです。

日付と曜日の記載ミスが、特に起きやすい理由

日付と曜日の組み合わせは、これも脳にとってとても負荷の高い処理です。
日付という数字の情報と、曜日という別の情報を、同時に整合させる必要があるからです。

これは単純な「不注意」というより、複数の情報を同時に保持しながら処理する場面で、ワーキングメモリーへの負荷が一気に高まることが原因だと考えられます。
負荷が高まるほど、片方の情報(曜日)が、もう片方の情報(日付)との整合性を保てなくなり、結果としてズレが生じてしまうのです。

「これだけ何度も確認しているのに、なぜ気づけないのか」
と感じるかもしれませんが、それは確認の「量」の問題ではなく、確認するときの脳の処理の「質」が関係しているのです。

「人の3倍時間がかかる」ことの正体

同じ作業に人の2倍~3倍の時間がかかってしまう。
これは、ADHDの特性として、決して珍しいことではありません。

ミスが起きやすい分、確認の回数を増やそうとする。
確認しても気づけないことがあるため、さらに時間をかけて見直そうとする。
この「ミスへの不安」と「確認作業」がセットになって積み重なることで、結果的に大きな時間がかかってしまうのです。

これは「能力が低い」ということではなく、脳の特性に対して、人並みの正確さを保とうと、人並み以上の労力で対応しているということなのです。

現実的な対処のヒント

①「今と違う見方」でチェックする

同じ目で同じ文章を読み返すと、脳は「もう確認済み」のパターンとして処理してしまい、新たな間違いに気づきにくくなります。

声に出して読む、印刷して紙で確認する、画面のフォントや文字サイズを変えて見るなど、「いつもと違う見方」に切り替えることで、見落としに気づきやすくなります。

②日付と曜日は、別の処理として確認する

日付と曜日を同時に確認しようとすると、ワーキングメモリーへの負荷が高くなります。

まず日付だけを確認し、次に曜日だけをカレンダーで照合する、というように、確認作業を「分割」することで、同時処理の負荷を減らすことができます。

③時間を置いてから、再度確認する

書いた直後の確認は、脳がまだその文章の「流れ」を覚えているため、間違いに気づきにくい状態です。

少し時間を置く、別の作業を挟む、翌日に再確認するなど、思考を一度切り替えてから見直すことで、確認の精度が上がりやすくなります。

④ダブルチェックを、気持ちよく頼る

重要な文書については、誰かに確認してもらうことも、有効な対処法のひとつです。

「自分一人で完璧に対応しなければ」と抱え込むのではなく、確認を他者に委ねることも、特性とうまく付き合っていくための、ひとつの選択肢なのです。

まとめ

  • 誤字脱字や記載ミスが「直らない」のは、注意不足ではなく、文書作成という高度なマルチタスクへの処理の難しさが背景にある
  • 日付と曜日の記載ミスは、複数の情報を同時処理する負荷が高いために起きやすい
  • 「人の3倍時間がかかる」のは、能力の低さではなく、人並みの正確さを保つための労力の表れ
  • 「違う見方でチェック」「確認作業を分割」「時間を置く」「ダブルチェックに頼る」という対処が有効

「何度も確認しているのに、なぜ気づけないのか」
その悩みには、ちゃんと理由があります。

特性を知り、自分に合った対処法を見つけていくことが、自分を責めることをやめる最初の一歩です。
ひとりで抱え込まず、なにか思う事や考える事があればいつでもご相談くださいね!

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