「働けない、お金がない」と絶望する前に発達障害でも受給できる『障害年金』の仕組みと、運命を分ける「初診日」
1|障害年金は「身体」だけの制度ではありません
こんにちは。
心理カウンセラーの伊藤憲治です。
「障害年金」と聞くと、身体障害をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、障害年金の対象は身体だけではありません。
- うつ病
- 双極性障害
- 統合失調症
- ADHD
- ASD
などの精神疾患や発達障害も対象になり得ます。
障害年金は生活保護とは異なり、
私たちが支払っている公的年金保険料に基づく
社会保険給付(権利)です。
2|もっとも重要なのは「初診日」
障害年金の請求で最も重要なのが初診日です。
■ 初診日とは
「その傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」
をいいます。
ここで重要なのは、
- 診断名が確定した日ではない
- 障害年金を申請しようと思った日ではない
という点です。
■ 例として考えられるケース
不眠や体調不良で内科を受診し、
その後、精神疾患と診断された場合でも、
その内科受診日が“同一傷病”と判断されれば、初診日として扱われる可能性があります。
※初診日の認定は、傷病の関連性などをもとに日本年金機構が個別に判断します。
3|「国民年金」か「厚生年金」かで制度が分かれる
障害年金は、初診日に加入していた年金制度によって種類が分かれます。
| 初診日に加入していた制度 | 請求できる年金 |
|---|---|
| 国民年金 | 障害基礎年金 |
| 厚生年金 | 障害厚生年金 |
◆ 初診日が国民年金の場合
障害基礎年金の対象は
- 1級
- 2級
です。
※3級はありません。
そのため、障害の程度が3級相当と判断された場合、
障害基礎年金は支給対象になりません。
◆ 初診日が厚生年金の場合
障害厚生年金の対象は
- 1級
- 2級
- 3級
です。
さらに、障害の程度が軽く年金の支給要件に該当しない場合でも、
一定の条件を満たせば障害手当金(一時金)の対象となることがあります。
4|等級の考え方(精神・発達障害の場合)
精神障害や発達障害の場合、
等級は主に日常生活能力や社会生活への適応状況をもとに総合的に判断されます。
■ 1級
日常生活のほとんどの場面で常時の援助が必要な状態。
■ 2級
日常生活に著しい制限があり、
労働による収入を得ることが困難な状態。
(※障害基礎年金は1級・2級のみ)
■ 3級(厚生年金のみ)
労働に著しい制限を受ける、または労働に制限を加えることを必要とする状態。
重要なのは、
「就労している=必ず対象外」ではない
という点です。
実際の認定では、
就労の有無だけでなく、
- 勤務形態
- 業務内容
- 職場の配慮状況
- 就労継続の安定性
などを含めて総合的に判断されます。
5|発達障害と初診日の重要性
発達障害は生まれつきの特性ですが、
障害年金では「いつ初めて医師の診療を受けたか」が基準になります。
◆ 20歳前に初診日がある場合
原則として「20歳前障害」として扱われ、
障害基礎年金(1級・2級)の対象となります。
この場合、保険料納付要件は不要です。
◆ 就職後に初めて受診した場合
初診日に厚生年金に加入していれば、
障害厚生年金(1級・2級・3級)の対象となる可能性があります。
どちらに該当するかで、
3級があるかどうかが変わります。
6|もう一つの重要条件「保険料納付要件」
障害年金には、原則として保険料納付要件があります。
初診日の前日において、
- 初診日のある月の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上が納付済または免除期間である
または - 初診日の属する月の前々月までの直近1年間に未納がない
ことが必要です。
(※特例の期限など詳細は日本年金機構の最新情報を確認してください。)
7|最後に
障害年金は、
- 初診日
- 加入制度
- 等級
- 保険料納付状況
という複数の要素で決まります。
「働いているから無理」
「診断が最近だから無理」
と自己判断せず、
年金事務所や障害年金を扱う社会保険労務士に相談することをおすすめします。
制度は複雑ですが、
知っているだけで将来の選択肢が変わります。
🌙 もし辛くなったり苦しくなったら。
もし、ひとりで整理するのが辛くなったり苦しくなったら、
「話す」という選択肢があることを忘れないでくださいね。
