こんにちは。心理カウンセラーの伊藤憲治です。
「片付けられない」「忘れ物が多い」「友だちとの関係がうまくいかない」
子どもの困りごとは、家庭だけでは解決がむずかしいことがあります。
そんなときに「専門機関に相談してみては?」と言われることがありますが、実際にどんなことをしてくれるのか、イメージがつきにくい方も多いのではないでしょうか。
「相談に行ったら診断されて終わりなの?」「怒られたりしない?」と、不安に感じる方も少なくありません。
今回は、専門機関に相談したときに受けられる具体的なサポート内容について、できるだけわかりやすく解説します。
1. 専門機関とはどんなところ?
子どもの発達や行動に関する相談ができる専門機関は、いくつかの種類があります。
学校での相談
- スクールカウンセラー
- 特別支援コーディネーター
- 担任や養護教諭(ようごきょうゆ)
学校内で子どもの様子を一番よく見ている先生や、専門の相談員が話を聞いてくれます。
発達相談センターや児童相談所
地域の行政が運営する相談窓口です。心理士(しんりし)や福祉の専門職が在籍し、無料で相談できる場合が多いです。
医療機関
- 小児科
- 児童精神科(じどうせいしんか)
- 心療内科
医師による診察(しんさつ)や発達検査(はったつけんさ)が受けられます。診断や治療が必要な場合はこちらにつながります。
民間の心理相談室
臨床心理士(りんしょうしんりし)や公認心理師(こうにんしんりし)がカウンセリングを行います。費用はかかりますが、気軽に相談しやすいという利点もあります。
2. 専門機関でしてくれること(具体的な内容)
専門機関では、ただ話を聞くだけでなく、次のような具体的なサポートが行われます。
発達や行動のアセスメント
子どもの得意・不得意や行動の特徴を把握するために、心理検査や観察を行います。
例:知能検査(ちのうけんさ)、発達検査、注意力や記憶力を調べるテストなど。
子どもへの面接・観察
遊びや会話を通して、子どもの興味や行動の特徴を見ていきます。
子どもがリラックスできるように配慮しながら行われます。
親への聞き取り
生まれてからこれまでの発達の経過、家庭や学校での様子を保護者から聞き取ります。
家庭だけでなく学校での記録や先生の意見が役立つこともあります。
学校や家庭へのアドバイス
検査や観察の結果をふまえて、生活の中でできる工夫を具体的に提案してくれます。
例:「片付けはラベルを貼るとわかりやすい」「休み時間に一人で過ごす子には安心できる居場所を用意する」など。
支援制度や福祉サービスの紹介
必要に応じて、療育(りょういく)や放課後デイサービス、障害者手帳や医療費助成などの制度につなげてもらえます。
3. 相談から支援につながる流れ
実際に専門機関に相談したときの大まかな流れを紹介します。
- 初回面談
保護者や子どもから困りごとを聞き取ります。 - 検査や観察
必要に応じて心理検査を行い、行動を観察します。 - 結果の説明
子どもの得意・不得意や支援の必要性についてわかりやすく説明があります。 - 支援や制度につなぐ
学校への情報提供、支援制度の紹介、カウンセリングなどにつながります。
一度の相談で全てが解決するわけではなく、継続的に関わってもらうことが多いです。
4. 親が意識したいこと
相談するときに、親が意識しておくとよいことがあります。
- 正直に話す
「悪く思われないように」と隠すのではなく、困っていることをそのまま伝えて大丈夫です。 - 困っている具体的な場面を伝える
「片付けができない」「友だちとけんかが多い」など、具体的に話すとサポートが受けやすくなります。 - 一度で解決しなくても続けて相談していい
相談はゴールではなくスタートです。改善までには時間がかかることもあります。
5. まとめ
専門機関は「診断を下すだけの場所」ではありません。
子どもの行動や発達を多角的に見て、どうすれば生活しやすくなるかを一緒に考えてくれる場所です。
- 検査や観察で特性を把握する
- 保護者や学校に具体的なアドバイスをする
- 必要に応じて制度や支援につなげる
こうしたサポートを受けることで、親子が少しでも安心して過ごせるようになります。
🌸 読者さんへのメッセージ
「相談に行ったら何をされるんだろう」「診断されたらどうしよう」
そんな不安を持つ方もいるかもしれません。
でも、専門機関は困っている親子を助けるための場所です。
相談することは恥ずかしいことでも、特別なことでもありません。
むしろ「早めに相談すること」が、子どもにとっても親にとっても大きな安心につながります。
一人で抱え込まず、必要なときは専門機関の力を借りるのも一つの方法だと思いますよ!