― ひとりで頑張らなくていい。“使える制度”を知るという大切な一歩 ―
こんにちは。心理カウンセラーの伊藤憲治(いとうけんじ)です。
ADHDは子どもだけの特性ではありません。
大人になってから診断を受ける人は年々増えており、
「仕事が続かない」「日常生活がうまくいかない」
「ミスが多くて自信をなくす」など、
さまざまな悩みを抱えています。
しかし、こうした困りごとに対して
“大人が利用できる制度”は意外と多く、
知られていないだけで、
生活が大きく楽になることもあります。
この記事では、
大人のADHDが利用できる制度や支援を総合的にまとめ、
どのように使えば生活が安定しやすくなるか
をわかりやすく解説します。
★参考になる本★
発達特性やADHDについて、
「文章だけだと少し難しい」「全体像をつかみたい」
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日常生活や仕事での困りごとを、
具体的な場面と一緒に整理できるので、
初めて知る方にも、あらためて振り返りたい方にも向いています。
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🧭 1. 医療で受けられる支援
ADHDの治療やサポートには、医療の支援が基盤になります。
✦ ① 精神科・心療内科での診断と治療
大人のADHDの診断には、
問診、心理検査、生活状況の評価などの総合判断が必要です。
医療では以下の治療が受けられます。
- 薬物療法(コンサータ・ストラテラ・インチュニブなど)
- 精神療法(心理教育・認知行動療法など)
- 生活改善のアドバイス
- 就労や家庭生活の相談
診断を受けるだけでも“なぜできないのか”の理由が整理され、
心が軽くなる人は多いです。
✦ ② 自立支援医療
精神科の通院と薬代の自己負担を1割にできる制度です。
対象になるのは――
- ADHD
- ASD
- うつ病
- 不安障害など
ほとんどの“精神科に通院している人”が利用できます。
▶ メリット
- 毎月の医療費が大幅に軽減
- 継続して治療を続けやすい
- 高額になりがちな薬代も軽くなる
大人のADHD当事者の多くが、この制度で負担を減らしています。
🏛 2. 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
ADHDを含む精神疾患の状態が
“日常生活に支障をきたす”レベルの場合、
手帳を取得できる可能性があります。
等級は 1級~3級。
ADHDの場合は3級が多いです。
📌 手帳で受けられる支援
- 所得税・住民税の控除
- 公共交通機関の割引
- 携帯会社の割引
- NHK受信料の減免(地域による)
- 就職の際の「合理的配慮」の受けやすさ
- 障害者雇用枠への応募が可能
▶ メリット
- 仕事の選択肢が増える
- 働きやすい環境(配慮)を受けやすくなる
- 経済的負担が減る
手帳があるか否かで、生活の安定度が大きく変わります。
👔 3. 仕事(就労)に関する支援
ADHDの大人がもっともつまずきやすいのが“仕事”です。
そのため、就労に関する支援はとても充実しています。
✦ ① 障害者雇用での就職
障害者手帳があれば、
大企業も含めた「障害者雇用枠」に応募できます。
▶ 配慮されやすい項目
- メモを取りながらの説明
- 作業の見える化
- 環境を刺激の少ない席にする
- 業務を単純化してくれる
- 休憩を細かく取れる
- ミスが起きた時に責められにくい
ADHDは環境によって力を発揮できる人が多く、
“向いている仕事に出会うと長続きしやすい”という特徴があります。
✦ ② 就労移行支援
一般企業で働けるよう、
訓練やサポートを受けられる福祉サービスです。
受けられる支援は――
- ビジネスマナー
- 仕事のシミュレーション
- コミュニケーション練習
- 就職先の紹介
- 定着支援(就職後のフォロー)
▶ ADHDに特に有効
- 優先順位の付け方
- 仕事の段取り
- メモの取り方
- 長所の見つけ方
- 合理的配慮の使い方
実習を通して、自分に向く仕事を探せるのが強みです。
🏡 4. 地域で受けられる支援
ADHDの大人が地域で使える支援も意外と多くあります。
✦ ① 地域生活支援センター
- 日中の相談(無料)
- 悩みの整理
- 医療機関や支援機関との橋渡し
- 福祉制度の説明
- 居場所として利用できる場所も
「自分の悩みを整理したい」「話を聞いてほしい」
という人に向いています。
✦ ② 発達障害者支援センター
都道府県にある公的機関。
発達障害に特化した相談ができます。
- 生活の困りごと相談
- 職場でのトラブル相談
- 家族との関係相談
- 医療や福祉へつなぐ
- ADHDにあった働き方の提案
▶ かなり専門性が高い
一般の役所より“発達障害の理解が深く、話が通じやすい”のが利点です。
🧠 5. 心理的な支援(カウンセリング・心理療法)
ADHDは「環境調整」が最重要ですが、
心理療法も非常に効果があります。
▶ 有効な心理療法
- 認知行動療法(CBT)
- ADHD向けコーチング
- 感情コントロール法
- ストレスマネジメント
- 生活の仕組みづくり支援
特に
**“感情の波が強いタイプのADHD”**には大きな効果があります。
📚 6. 当事者コミュニティ・ピアサポート
ADHDは「ひとりで抱えたまま苦しくなる」ことが多い特性です。
そのため、同じ特性を持つ仲間と話すと
驚くほど心が軽くなります。
- 発達障害の当事者会
- ADHDの親・大人のコミュニティ
- オンライン当事者会
- SNSのピアサポート
「自分だけじゃなかった」と感じるだけで、
生きやすさは大きく変わります。
🌈 7. どの支援を“どの順番で”使うと楽になる?
大人のADHDの人がもっとも負担を減らしやすいのは
下の順番です👇
▶ ① 医療(診断・薬物療法・心理教育)
↓
▶ ② 自立支援医療(負担を軽く)
↓
▶ ③ 必要に応じて手帳の申請
↓
▶ ④ 就労のサポート(合理的配慮・障害者雇用)
↓
▶ ⑤ 地域の支援センターで相談
↓
▶ ⑥ 当事者コミュニティ・カウンセリング
制度+環境調整+心理的サポート
この3つがそろうと、
生活が驚くほど安定していきます。
🌷 まとめ ― ADHDの大人は“支援を使っていい”
ADHDという特性は、
努力では治せません。
だからこそ、
** “制度を使い、環境を整え、相談できる相手を持つ”
という生き方が必要**なのです。
- ADHDは怠けではない
- 環境の調整で大きく改善する
- 医療・福祉・就労支援を組み合わせると生活が安定する
- ひとりで抱え込む必要はない
あなたの人生を楽にするための制度は、
すでにいくつも用意されています。
「助けを借りる」という行動は弱さではなく、
**これからの人生を整えていくための“賢い選択”**です。
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