🌸 障害者雇用での「通院日」と「勤務要請」どう対応すればいい?

この記事は約5分で読めます。

― 無理をしない働き方と、信頼を保つ伝え方 ―

こんにちは。心理カウンセラーの伊藤憲治です。

今回は、30代の男性から寄せられたご相談をご紹介します。

障害者雇用でシフト勤務をしており、
毎月決まった日に通院がある。
その日は会社と契約の段階で「公休」として扱ってもらっている。

しかし、最近上司から「その日出勤できないか?」と頼まれるようになった。
断ると印象が悪くなりそうで怖いし、
無理をすると症状が悪化してしまう不安もある――

このようなご相談です。


💬 ご相談内容

障害者雇用でシフト勤務の仕事をしています。

人手が足りないようで、上司から
「残業をしてもらえないか?」「出勤日を増やせないか?」と
頼まれることがあります。

毎月通院しなければいけない日があり、
会社にもその日は“公休として休む”契約をしてもらっています。

しかし、その上司が
「病院の予約日でも出勤できないか?」と何度か言ってくるようになりました。

断ると印象が悪くなる気がして怖いですし、
これが原因で評価を下げられないか不安です。

ただ、病院からは登録制の薬をもらっているため、
予約を簡単に変えることはできません。

上司に直接話すべきなのか、人事や信頼できる先輩に相談すべきなのか、
それとも病院の予約を変えて会社に行くべきなのか…。

どう対応するのが良いでしょうか?


🧠 回答:「会社と自分、どちらも守るために“整理して伝える”こと」

このようなご相談は、とても多くの方が経験されています。

特に障害者雇用の現場では、
「会社の事情」と「自分の体調」のバランスをとるのが難しく、
“頼まれたら断りづらい”という状況が生まれやすいものです。

しかし、まずお伝えしたいのは、
あなたが悪いわけではないということ。

「通院を優先すること」は、
“わがまま”ではなく、“健康を守るための正しい選択”です。


🌿 障害者雇用の基本ルール


💼 ① 雇用契約で定めた「勤務条件」は守られる権利

障害者雇用は、一般雇用と同じく労働契約法が適用されます。

契約書に「毎月○日通院のため公休」などが明記されている場合、
その条件を一方的に変更することはできません。

上司が「出勤してほしい」と言うこと自体は違法ではありませんが、
それに応じる義務はありません。

つまり、
「頼まれたから出なければいけない」という状況には、
法的にもならないのです。


🩺 ② 通院は“業務外の事情”ではなく“就労に必要な支援”

厚生労働省の指針では、
障害者雇用における「合理的配慮(ごうりてきはいりょ)」の一例として、

“治療や通院との両立を可能にする勤務体制の調整”

が明記されています。

つまり、通院のための休みを確保することは、
「配慮」ではなく、就労を継続するための支援です。


☕ どう対応するか?3つのステップで考えよう


🌸 ステップ① 「まずは自分の整理」

感情的に反応せず、
「事実」と「気持ち」を紙に書き出してみましょう。

  • 通院日は契約時に公休として認められている
  • 病院は登録制で予約変更が難しい
  • 出勤の要請が続くことでストレスや不安を感じている

こうして整理しておくと、
次に誰にどう相談するかを冷静に判断できます。


🌿 ステップ② 「直接上司に伝える前に、信頼できる第三者へ」

いきなり上司に「それは困ります」と伝えるのは勇気がいります。

まずは、職場の中で

  • 人事担当者
  • 産業医や障害者職業生活相談員(在籍していれば)
  • 信頼できる先輩や同僚

など、“少し客観的に話せる人”に相談してみましょう。

「こういうことが続いていて困っている」
「上司にはどう伝えたらいいか迷っている」

と、**“アドバイスを求める形”**で話すと、相手も受け止めやすいです。


☀️ ステップ③ 「上司に話すときは“気持ち+事実”で伝える」

感情的に「無理です!」と言ってしまうと、
相手は“拒否された”と受け止めてしまいます。

ポイントは、次のような言い方です。

「実は、通院日は契約時にお休みをいただくことになっていて、
病院側の都合で予約変更が難しいんです。
ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんが、
健康を維持して働き続けるために大切な通院です。」

このように伝えると、
「協力する姿勢があるけれど、事情がある」と理解してもらいやすくなります。


💬 「評価が下がるのでは…」という不安について

多くの方がこの不安を抱えます。

しかし、
「体調管理を優先すること」=「評価を下げる理由」にはなりません。

もし、それを理由に不当な扱いを受けた場合、
障害者雇用促進法に基づくハラスメント相談窓口
地域の労働局の相談センターに相談できます。


🌿 体調を守ることが“仕事の責任”

障害者雇用の本来の目的は、
「体調に合わせた働き方で、長く安心して働ける環境を作る」ことです。

つまり、
無理に出勤して体調を崩すことは、
“責任感が強い行動”ではなく、“結果的に仕事を止めてしまうリスク”にもなります。

健康を優先することは、
「仕事を続ける力を守る」ことでもあるのです。


🧠 心理学的に見た「断りにくさ」

人は、頼まれると断ることに罪悪感を感じやすい生き物です。
これは心理学で「同調圧力」や「承認欲求」に関係します。

とくに職場では、
「期待に応えたい」「迷惑をかけたくない」という思いが強くなり、
自分の限界を越えてしまうことがあります。

しかし、人間関係は“無理を続けること”ではなく、“誠実に伝えること”で信頼が深まるものです。


☕ 伝え方のポイント(心理的アプローチ)


🌸 ① 感情ではなく「理由」を先に伝える

→ 「病院の予約変更が難しいため」と先に説明する。

🌿 ② 相手の立場にも配慮する

→ 「人手が足りないのは理解しています。その上でご相談です。」

☀️ ③ 最後に感謝を添える

→ 「理解していただけて助かります。ありがとうございます。」

「断る」ことよりも「対話を続ける」ことを意識しましょう。


🕊️ 無理をしてはいけない理由

精神的・身体的な持病を持つ方にとって、
通院や服薬のサイクルは“体調の安定軸”です。

このリズムが崩れると、

  • 睡眠リズムが乱れる
  • 感情の波が強くなる
  • 集中力が低下する
    など、仕事への影響も大きくなります。

そのため、「休む勇気」は働くための力のひとつと考えてください。


🌸 まとめ

  • 通院日は「契約上の権利」として守られるもの。
  • 「病院に行く=自己管理」であり、わがままではない。
  • 相談は、まず信頼できる第三者(人事・産業医・先輩)へ。
  • 上司には「理由+感謝+協力姿勢」で伝える。
  • 無理をせず、自分のリズムを守ることが“長く働く力”になる。

💗 読者へのメッセージ

「頼まれて断るのがつらい」「理解してもらえないのでは」と感じるのは、
とても自然なことです。

でも、あなたが悪いわけではありません。

通院や休養は、
「仕事を休むための時間」ではなく、
「仕事を続けるための時間」です。

どうか、自分のペースを守ることに罪悪感を持たないでください。

それは、
「生き方を大切にする」という、何よりも誇らしい選択です。


🕊️ ご相談・活動情報について~伊藤憲治(ReCocoro)

💬 公式LINE(無料相談受付)
→個別回答は行っておりませんが、ご回答できるものに関してはブログで回答します。

🕊️ 公式X(最新情報はこちら)