― 無理をしない働き方と、信頼を保つ伝え方 ―
こんにちは。心理カウンセラーの伊藤憲治です。
今回は、30代の男性から寄せられたご相談をご紹介します。
障害者雇用でシフト勤務をしており、
毎月決まった日に通院がある。
その日は会社と契約の段階で「公休」として扱ってもらっている。
しかし、最近上司から「その日出勤できないか?」と頼まれるようになった。
断ると印象が悪くなりそうで怖いし、
無理をすると症状が悪化してしまう不安もある――
このようなご相談です。
💬 ご相談内容
障害者雇用でシフト勤務の仕事をしています。
人手が足りないようで、上司から
「残業をしてもらえないか?」「出勤日を増やせないか?」と
頼まれることがあります。
毎月通院しなければいけない日があり、
会社にもその日は“公休として休む”契約をしてもらっています。
しかし、その上司が
「病院の予約日でも出勤できないか?」と何度か言ってくるようになりました。
断ると印象が悪くなる気がして怖いですし、
これが原因で評価を下げられないか不安です。
ただ、病院からは登録制の薬をもらっているため、
予約を簡単に変えることはできません。
上司に直接話すべきなのか、人事や信頼できる先輩に相談すべきなのか、
それとも病院の予約を変えて会社に行くべきなのか…。
どう対応するのが良いでしょうか?
🧠 回答:「会社と自分、どちらも守るために“整理して伝える”こと」
このようなご相談は、とても多くの方が経験されています。
特に障害者雇用の現場では、
「会社の事情」と「自分の体調」のバランスをとるのが難しく、
“頼まれたら断りづらい”という状況が生まれやすいものです。
しかし、まずお伝えしたいのは、
あなたが悪いわけではないということ。
「通院を優先すること」は、
“わがまま”ではなく、“健康を守るための正しい選択”です。
🌿 障害者雇用の基本ルール
💼 ① 雇用契約で定めた「勤務条件」は守られる権利
障害者雇用は、一般雇用と同じく労働契約法が適用されます。
契約書に「毎月○日通院のため公休」などが明記されている場合、
その条件を一方的に変更することはできません。
上司が「出勤してほしい」と言うこと自体は違法ではありませんが、
それに応じる義務はありません。
つまり、
「頼まれたから出なければいけない」という状況には、
法的にもならないのです。
🩺 ② 通院は“業務外の事情”ではなく“就労に必要な支援”
厚生労働省の指針では、
障害者雇用における「合理的配慮(ごうりてきはいりょ)」の一例として、
“治療や通院との両立を可能にする勤務体制の調整”
が明記されています。
つまり、通院のための休みを確保することは、
「配慮」ではなく、就労を継続するための支援です。
☕ どう対応するか?3つのステップで考えよう
🌸 ステップ① 「まずは自分の整理」
感情的に反応せず、
「事実」と「気持ち」を紙に書き出してみましょう。
- 通院日は契約時に公休として認められている
- 病院は登録制で予約変更が難しい
- 出勤の要請が続くことでストレスや不安を感じている
こうして整理しておくと、
次に誰にどう相談するかを冷静に判断できます。
🌿 ステップ② 「直接上司に伝える前に、信頼できる第三者へ」
いきなり上司に「それは困ります」と伝えるのは勇気がいります。
まずは、職場の中で
- 人事担当者
- 産業医や障害者職業生活相談員(在籍していれば)
- 信頼できる先輩や同僚
など、“少し客観的に話せる人”に相談してみましょう。
「こういうことが続いていて困っている」
「上司にはどう伝えたらいいか迷っている」
と、**“アドバイスを求める形”**で話すと、相手も受け止めやすいです。
☀️ ステップ③ 「上司に話すときは“気持ち+事実”で伝える」
感情的に「無理です!」と言ってしまうと、
相手は“拒否された”と受け止めてしまいます。
ポイントは、次のような言い方です。
「実は、通院日は契約時にお休みをいただくことになっていて、
病院側の都合で予約変更が難しいんです。
ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんが、
健康を維持して働き続けるために大切な通院です。」
このように伝えると、
「協力する姿勢があるけれど、事情がある」と理解してもらいやすくなります。
💬 「評価が下がるのでは…」という不安について
多くの方がこの不安を抱えます。
しかし、
「体調管理を優先すること」=「評価を下げる理由」にはなりません。
もし、それを理由に不当な扱いを受けた場合、
障害者雇用促進法に基づくハラスメント相談窓口や
地域の労働局の相談センターに相談できます。
🌿 体調を守ることが“仕事の責任”
障害者雇用の本来の目的は、
「体調に合わせた働き方で、長く安心して働ける環境を作る」ことです。
つまり、
無理に出勤して体調を崩すことは、
“責任感が強い行動”ではなく、“結果的に仕事を止めてしまうリスク”にもなります。
健康を優先することは、
「仕事を続ける力を守る」ことでもあるのです。
🧠 心理学的に見た「断りにくさ」
人は、頼まれると断ることに罪悪感を感じやすい生き物です。
これは心理学で「同調圧力」や「承認欲求」に関係します。
とくに職場では、
「期待に応えたい」「迷惑をかけたくない」という思いが強くなり、
自分の限界を越えてしまうことがあります。
しかし、人間関係は“無理を続けること”ではなく、“誠実に伝えること”で信頼が深まるものです。
☕ 伝え方のポイント(心理的アプローチ)
🌸 ① 感情ではなく「理由」を先に伝える
→ 「病院の予約変更が難しいため」と先に説明する。
🌿 ② 相手の立場にも配慮する
→ 「人手が足りないのは理解しています。その上でご相談です。」
☀️ ③ 最後に感謝を添える
→ 「理解していただけて助かります。ありがとうございます。」
「断る」ことよりも「対話を続ける」ことを意識しましょう。
🕊️ 無理をしてはいけない理由
精神的・身体的な持病を持つ方にとって、
通院や服薬のサイクルは“体調の安定軸”です。
このリズムが崩れると、
- 睡眠リズムが乱れる
- 感情の波が強くなる
- 集中力が低下する
など、仕事への影響も大きくなります。
そのため、「休む勇気」は働くための力のひとつと考えてください。
🌸 まとめ
- 通院日は「契約上の権利」として守られるもの。
- 「病院に行く=自己管理」であり、わがままではない。
- 相談は、まず信頼できる第三者(人事・産業医・先輩)へ。
- 上司には「理由+感謝+協力姿勢」で伝える。
- 無理をせず、自分のリズムを守ることが“長く働く力”になる。
💗 読者へのメッセージ
「頼まれて断るのがつらい」「理解してもらえないのでは」と感じるのは、
とても自然なことです。
でも、あなたが悪いわけではありません。
通院や休養は、
「仕事を休むための時間」ではなく、
「仕事を続けるための時間」です。
どうか、自分のペースを守ることに罪悪感を持たないでください。
それは、
「生き方を大切にする」という、何よりも誇らしい選択です。
🕊️ ご相談・活動情報について~伊藤憲治(ReCocoro)
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